生前整理と遺品整理はどう違う?それぞれの意味合いを理解しよう!
生前整理と遺品整理の意味を正しく理解しているでしょうか。2つの意味を混同している人は少なくありません。きちんと区別していなければ、生前整理でなにを行うべきかが判断できないといえるでしょう。そこで今回、生前整理と遺品整理の違いを解説します。生前整理への理解を深めることで、生前整理を行う上での注意点も見えてくるでしょう。
生前整理と遺品整理はどう違う?
まずは生前整理と遺品整理の違いを正確に理解しましょう。大きな違いは、生前整理は本人が行うこと、遺品整理は遺族が行うことです。それぞれなにを目的として行われるかを解説します。
生前整理を行う理由1「財産関係の整理」
自身が亡くなったとき、家族が相続問題でもめないようにするために行います。自身の財産をどうしてほしいか、誰に残したいのかを考え、最終的には遺言書などのかたちとして残すことが目的です。自身の意思を明確にすることで家族がもめる心配も少なくなるでしょう。
生前整理を行う理由2「生活空間の整理」
自身が亡くなったあと、自身が使用していた物は家族が処分することになります。故人の物を整理するのは体力や精神的にも辛いことです。それらの負担を減らすために、自身の生活空間を整理します。不要なものを処分するなど、断捨離をしておくことが大切です。
生前整理を行う理由3「心の整理」
生前整理を行う人の多くが、人生の終わりを意識していることでしょう。自身の身のまわりを整理することで改めて自身を見つめ直せます。残りの人生をどう過ごすのか、なにをしたいのか、そういった心の整理につながる行動です。
遺品整理を行う理由「持ち主不在となったものを片付けること」
亡くなったあと、その人が残していったものを片付けることが目的です。故人の服や思い出の品だけでなく、持ち家や車など大きなものまでが片付けの対象となることでしょう。家族でわけるのか廃棄するのか売却するのか、どのように片付けるかを悩む人は少なくありません。
生前整理の具体的な流れ
正しい流れというものはありませんが、生前整理をうまく進めるコツがあります。紹介していく流れを順に行うことで、少しずつ生前整理が進んでいくことでしょう。
貴重品の整理
まずは生命保険契約書・土地の権利書・銀行の通帳などを集めましょう。銀行の口座が複数あった場合は1つにまとめることをおすすめします。家族が自身の通帳を片付けようとした際、通帳が複数あるとそのぶん手間がかかるからです。
自身が亡くなったときに使う書類などもまとめておくと、家族もわかりやすいでしょう。貴重品をまとめることで、これらをどうすべきか考えやすくなるともいえます。
家財を整理する
使っているものや使っていないものをまずは仕分けていきましょう。使っていないものは売却や廃棄していきます。
断捨離と少し似た感覚かもしれません。自身で整理することで、残された家族の負担は減ることでしょう。もし判断に迷った場合は、1年を基準に検討するとよいです。1年以上使っていなければ、思い切って処分してみてはいかがでしょうか。
エンディングノートや遺言書を作成する
遺言書よりカジュアルな形式であるのがエンディングノートです。気軽に自身のことを書きすすめていくだけでも、自身を見つめ直すきっかけにもなります。また、契約している保険などをまとめておけば、残された家族はなにをすればよいかすぐに把握できるでしょう。
また、仲のよい友人の名前や連絡先なども記載したり、お葬式の見積もりを記載したりしておくと、家族の助けになります。
生前整理を行う際に注意するべきポイント
生前整理は自身のためにも、残される家族にとっても大切なことです。とはいえ、すべてを無理に整理する必要はありません。続いて、生前整理を行う際に注意するべきポイントを解説します。
元気なうちに生前整理を行う
年齢を重ねるごとに体力的にも生前整理は辛い作業になっていきます。そのため、元気なうちに少しずつ生前整理を行っていくとよいでしょう。
近年では、30代や40代の若い世代でも、生前整理を行う人が増えています。生前整理は決して高齢者や資産家だけが行うわけではなく、誰もが行ってよい身辺整理です。ただし、無理をして怪我をしたり体を壊したりしないように注意しましょう。
一度ですべてのものを整理しようと思わない
普段使用していないからといって廃棄してしまい、あとから後悔する人も少なくないようです。上述で、1年を基準に判断することをおすすめしましたが、すべてを整理する必要はありません。後悔しないように少しずつ片付けていけばよいのです。
高価なものや貴重品から整理していく
価値のあるものなど、先に整理しておくことで安心して生前整理が進められるでしょう。高価なものは譲渡する、売却するなどを自身で決めていくことで、残された家族が処分に困ることがなくなります。
また、人はいつ人生を終えるかわかりません。高価なものや貴重品といった重要なものから整理することで、生前整理がすべて終わらなくても家族の負担は軽減されるといえます。
まとめ
生前整理は自身のためだけでなく、残された家族のためにもなります。遺品整理をした経験のある人はわかると思いますが、残された家族が遺品整理をするのは酷く悲しく疲れるものです。自身の人生の終わりが想像できないという人も、身の回りの整理をする感覚で進めてはいかがでしょうか。