遺品整理時に高く売れるものとは?そもそも遺品を売っても問題ないのか
遺品整理には場合によっては、大きな費用が掛かることもあります。遺族の負担を少しでも少なくするためには、形見分け以外の遺品を売却することを考えている方も、いらっしゃるかと思います。そこで今回は、どんな遺品が売却できるのか、遺品を売却するときの注意点のほか、上手な遺品整理のポイントなどを紹介します。
遺品を売却しても問題ない?
遺品を売ることは、基本的には問題ありません。ただ遺族の中には、心情的に遺品を売却することに抵抗がある方がいらっしゃることも確かです。
しかし、誰も使用しないものをそのままにしておくよりは、また新しい持ち主に使ってもらう方が、故人も喜んでくれるのではないでしょうか。価値ある品物は、その価値を見出してもらうことこそ、故人のためにもなるはずです。
高く売れる遺品一覧
では、どんな品物が高く売れるのか、具体的に紹介しましょう。
貴金属類
貴金属類は、デザインが古くても金やプラチナなどの素材に価値がありますので、素人判断はせずに、信頼のおける専門業者に査定してもらいましょう。鑑定書があれば、より高価な買取にもつながりやすいので、出来るだけそろえておいてください。
見落としがちなのが、金歯です。金歯も金でできていますので、売却する価値はあります。小さな袋などに入れて、貴金属とともに査定してもらいましょう。
仏具
金を使用している仏具も高く売れる可能性があります。古い家の場合は、大きな仏壇が安置されていることも多いので、一度確認してみてください。
ただ、仏壇や仏像には、魂がこもっているとされています。信仰に関することですので、必須ではありませんが、出来れば売却する前に「魂抜き」などの供養をした方が良いでしょう。
ブランドもの(バッグ・時計・財布など)
品物の状態にもよりますが、ブランド品は高値が付きやすい遺品の1つです。ブランド品を売却するときは、ホコリなどの軽い汚れは拭いて、付属品や箱があれば一緒に査定に出しましょう。
カメラ
特に一眼レフのカメラは、需要が高く買取価格も期待できる品物です。とくにニコンやキャノンなどのブランドは、高値が付きやすく、プロ仕様なら数十万円の値段が付くこともあります。付属品やケースなどがあれば、一緒に査定してもらいましょう。
骨董品
骨董品は、思いもよらない高値が付くことがあります。しかし、骨董品の鑑定は、高い専門性と鑑定眼が必要ですので、適正な査定額が見極めにくい品物です。査定は、複数の業者に出して、比較検討することをおすすめします。
着物
着物の買取は、多くの業者が取り扱っているので、比較的売りやすい品物です。作家物や友禅染、大島紬などの高級着物は、状態が良ければ高価買取が期待できます。草履やかんざしなど、雑貨も買取を行っている業者があります。
売却するときは、複数の業者に査定してもらってください。ちなみに出張査定なら、大抵の業者は無料で査定してくれます。
家具・家電
デザイナーズや有名ブランドの家具、高機能で発売年が近い家電なら、高値で売却できる可能性があります。一般的な家具や家電はあまり期待できませんが、廃棄するためには、リサイクル料金などの費用がかかるので、安い値段でも売却した方が経済的な負担が減ります。
切手・古銭
切手はほぼ額面通りの値になることが多いですが、希少価値のある切手なら高額買取も期待できます。古銭の場合も希少価値があれば、高値が付くことがあります。切手シートは切らずにそのままで、アルバムに収集してあるときも、はがさずにそのまま査定してもらってください。(はがすときに破れると価値が下がります。)
コレクション
故人が趣味で集めていた品物も、高値が付く場合があります。コレクションは、一般的な価値が分かりにくいので、業者に査定してもらうよりも少し手間はかかりますが、オークションやフリマに出した方が良いでしょう。
ゴルフ用品など趣味の品物
趣味の品物のなかでも、買い取り価格が高額になりやすいものが、ゴルフ用品です。もちろん状態にもよりますが、ゴルフバッグなどの付属品もセットなら、より高く買い取ってもらえます。囲碁の碁盤や将棋盤なども、材質や状態によっては買取価格の高い場合がありますので、しっかりと査定してもらいましょう。
売れない遺品を整理する方法
どうしても売却できないものは、個人で処分する、もしくは専門の回収業者に依頼することになります。
自分で処分する方法
サイズの小さな品物は、分別した上で自治体のごみ収集に出せばよいのですが、家具などのサイズが大きいものは、粗大ごみとして収集してもらいます。粗大ごみの出し方は、自治体によって異なりますので、気を付けてください。
業者に依頼する方法
ゴミとして処分する品物が大量にある場合は、費用はかかりますが、専門の回収業者などに依頼した方が良いでしょう。ただ、業者のなかには悪質なところもありますので、必ず複数の業者に相見積もりを取り、信頼できる業者にお願いしてください。
遺品整理で失敗しないポイント
遺品整理は、葬儀やその後の法事などが続き、体力的にも精神的にもきつい状態で行うことが多い作業です。そのため、注意力や判断力が鈍ってしまい、トラブルになることも少なくありません。個人で遺品整理をする場合と、業者にお願いする場合、それぞれ注意する点について説明します。
個人で遺品整理をする
遺品の中には、故人が誰かに譲ることを約束していたものや相続人が形見分けに希望していた品物もあるはずです。ですので、遺品整理をするときは、必ず相続人全員と相談してください。エンディングノートや遺書の確認も忘れずにしましょう。
遺品を売却する際も、売却予定の品物をリストアップして、相続人へ報告、承諾を得ることも忘れないでください。品物に対する価値観は、人それぞれ異なりますので、しっかりと確認をしておくほうが、トラブルになる危険性が減ります。
業者に依頼する
遺品の処分を依頼する業者を選ぶ場合は、許可証の確認や遺品整理士の有無、受付時の対応、口コミなどをチェックしたうえで、必ず数社を比較し、相見積もりを取りましょう。業者によっては追加で費用を要求するようなところもありますので、詳細な見積書を提示するかどうかも、チェックしてください。
買取希望の遺品に骨とう品や高い鑑定力が必要とされる品がある場合は、専門の業者に依頼した方がより高い値が付く可能性があります。買取価格が高くなりそうな品物は、面倒でも専門家に査定してもらいましょう。
まとめ
遺品整理は、時間も体力も、そして経済的にも大変な作業です。遺品が少しでも高く売れれば、遺族への負担が減り、故人も安心してくれるはずです。故人を偲びながら遺品整理をすることで、遺族自身の心を整理するきっかけになるかもしれません。無理せず焦らずに、ときには業者にお願いしながら、故人の品物を整理してあげてください。