捨てにくい遺品は供養しよう!遺品供養についてわかりやすく解説!
故人の遺品には思い出が残っているため、使う予定のないものだとしても、通常のゴミとして収集所などに捨てるのは気が引ける場合があるでしょう。このような場合には、遺品供養を行うという方法があります。本記事では、故人の遺品に感謝を込めながら手放す遺品供養について、わかりやすく解説します。
遺品供養とは
遺品供養とは、お坊さんや神主が経または祝詞を唱えて、遺品にこもっている魂を弔って処分することをいいます。故人に感謝し冥福を祈ることが目的ですが、必ずしも供養しなくてはならないという決まりはありません。
故人の思い出が残る品物を通常のゴミとして廃棄するのは気が進まない場合などに、遺族の方の心の整理を行う手段として、遺品供養が行われている面もあります。遺品供養は主に、下記の2通りの方法で行われています。
供養
遺品にこもった魂の弔いのみを行うことを供養といいます。供養を行った後は、通常のゴミと同様に廃棄することになります。
お焚き上げ
神社仏閣で遺品を燃やすことで、遺品にこもった魂を天に送ることをお焚き上げといいます。お焚き上げができるものは、基本的に燃やせるものに限り、不燃ごみや粗大ごみなどの燃やせないものは、受け付けてもらえません。
近年は条例などにより、焼却が制限されていることもあります。このため、御霊を形代に移して形代をお焚き上げし、遺品自体は産業廃棄物として廃棄するという方法を取る場合もあるようです。
遺品供養とは具体的にどのようなことをするのか
遺品供養の具体的な方法は2種類あり、現地供養と合同供養に分類されます。
現地供養
現地供養では、お坊さんが故人の家などの遺品のある現地におもむき、その場で読経して供養します。家全体を供養できるため、細々とした遺品をすべてまとめて供養できます。
遺品として大量の収集品がある場合や、寺などへの持ち込みが難しい遺品を供養してもらいたい場合には、現地供養が向いています。お坊さんによる読経をそばで聞けるため、故人に感謝し、心の整理をするうえでも、よりよい選択肢といえるでしょう。
合同供養
合同供養では、供養してもらいたい遺品を寺や神社に持ち込み、ほかの方の遺品とあわせて供養します。基本的には自ら遺品を持ち込むことになりますが、宅配便で遺品を送れる場合もあります。
遺品供養の依頼方法
遺品供養にはいろいろな依頼方法があります。代表的な依頼の仕方として挙げられるのは、次の3つの方法です。
神社仏閣に直接連絡する
最も安心して依頼できるのが、神社仏閣に直接連絡する方法です。檀家や氏子であることがわかっている場合は、関係する神社仏閣にまず連絡を取ってみましょう。
遺品供養をお願いするための特定の神社仏閣がない場合は、インターネット上で探すのが簡単でしょう。Webサイトを運営している神社仏閣であれば、遺品供養に関する問い合わせ先を表示している場合が多いようです。なお、神社に仏壇、寺に神棚など、宗教の異なる物品の依頼はできません。仏教であれば、宗派にも注意しましょう。
お焚き上げ業者に連絡する
お焚き上げ業者とは、遺品を宅配便で送るだけで供養をしてくれるサービスを提供している業者のことです。お焚き上げのみの対応ではなく、燃えないものについても対応してくれる業者もあります。
この場合、燃えないものに関しては供養のみをして焼却せず、産業廃棄物として廃棄してもらうことになります。手続きが簡単な業者もあるため、宅配便で送れる遺品であれば利用しやすい点が特徴です。
遺品整理業者に連絡する
遺品整理業者のなかには、遺品の整理とあわせて遺品供養を実施するところもあります。遺品の整理自体に困っている場合は、遺品供養も同時に行ってくれるため、手間が少なく済みます。
遺品の整理のみならず、遺品供養もお願いしたいときは、遺品整理業者に依頼するとよいでしょう。また、宗教や宗派の相談もできるので、どこに依頼したらよいのかわからない場合にも、力になってくれます。
遺品供養にかかる費用の相場
遺品供養にかかる費用は、遺品供養の種類によって異なります。それぞれの方法での費用の相場は、次のとおりです。
現地供養の相場
お坊さんを自宅などに呼ぶ必要があり、個人単位での供養になることから、合同供養よりも費用が高い傾向にあります。現地供養の相場は、2万円~7万円程度といわれています。
合同供養の相場
合同供養については、遺品を持ち込む場合と郵送する場合とで費用の相場が異なります。自ら神社仏閣に持ち込む場合は、1万円~3万円程度といわれていますが、遺品整理業者に依頼すると、無料で実施してくれる場合もあります。
郵送する場合は、封筒や箱のサイズによって価格が異なりますので、まずはサイズを確認してください。神社仏閣に郵送する場合の費用は、3,000円以上が相場です。お焚き上げ業者に郵送する場合の費用は、1,500円以上が相場です。
お焚き上げ業者は価格帯が細かく分かれているため、特定の神社仏閣に依頼する予定がなく、費用を抑えたいときは、お焚き上げ業者の方が安く済む場合があります。
まとめ
以上、遺品供養に関する解説でした。遺品供養は、遺品を廃棄する際に必ずしも必要な行為ではありません。しかし、遺族にとって大きな精神的負担になりやすい遺品の廃棄において、遺品供養は遺族の心を支えてくれることでしょう。
遺品を廃棄してしまったら、どれだけ悔やんでも遺品供養はできません。後で心のしこりとして残る不安がある場合は、遺品供養を行って心の整理をしておくことをおすすめします。